Next month an article of mine will be published in an Osaka-based newsletter. The article is based on a blog post from a few years ago: End of paternity leave and a lesson on negative support. It is all in Japanese (edited by my lovely wife), but for those interested, click on the more link below:
父親育児休業の最も大きな学び
コホリック・チャド
1997年に、武道を勉強するため、初めてカナダから日本に来ました。わずか数か月の旅でしたが、絶対に日本に戻りたいという強い願望ができました。二年後、大学の短期留学生として再来日できました。留学中の一年間に、妻と知りあい、それから長い愛情のある関係を築くことができました。2008年に妻から衝撃的なニュースを言われました。妊娠だ!
初めての娘が生まれて、新米パパになった時は幸せな瞬間でした。産後二か月になったら妻が仕事に戻るため、私が半年の育児休業をとりました。はじめは育児休業をとるつもりはありませんでしたが、妻が三年間の有期雇用の職場で働いていて、三年目に妊娠したので育児休業の権利がなく、産休のみで仕事に復帰しなければならなかったため、妻が産後も仕事を続けるために夫婦で話し合って、私が育児休業をとることにしました。
予想しなかった育児休業という経験によって赤ちゃんについてたくさんのことと、また同じくらい自分のことや妻との関係について学ぶことができました。
育児休業をとったと話すと、職場の反応を日本ではよく聞かれました。半年間、取得したことも驚かれました。職場では上司に二歳半の子どもがいたことから、羨ましがられたぐらいで問題はありませんでした。同僚からは「男性でもそんなに長く育児休業をとれることを知らなかった。自分も考えてみる」とか「ちゃんと育児休業がとれるなんて、この会社はさすがいい会社だ」と言われました。そのため育児休業は会社によって保証されている権利ではなくて、国の制度であることを説明しないといけませんでした。肯定的に受け止められていたようですが、知られていないことがたくさんあると思いました。日本は北米に比べて、育児休業の制度が進んでいないと聞いたりしますが、カナダの制度より日本の方がだいぶ進んでいる感じがしました。
日本とカナダの育児休業制度の違い
実は国々の育児休業制度を比較するのは大変難しいと思います。ほとんどの国は育児休業制度がありますが、その内容は様々です。例えば休業中に支給されるお金。長い期間の休みを提供しても、お金を支給するかしないかで、育児休業に参加する人口は変わるでしょう。
カナダの場合は父親は子どもが生まれたら、三七週間の休業をとる権利があります。育児休業は子どもが一歳になるまでに開始しないといけません。その間の生活費用は国の雇用保険のシステムから支給されます。だいたい収入の50%となります。
日本で育児休業を取得できる期間は「子が一歳に達するまで」。つまり、父親でも産後すぐに申請すれば、最大一年間とれます。(カナダはわずか九か月)。その上、日本は「パパ・ママ育休プラス」という二度目の育児休業をとれる便利な機能もあります。例えば、出産後の八週間以内を妻と一緒に育児をして、その後、夫は仕事に戻る。妻が仕事に復帰する大変な時期に、夫が二度目の育児休業がとれる制度です。カナダでは一人の子どもに対して、育児休業は一回しか申し込めません。日本のように分けたりすることができません。
日本はカナダに比べて、こんなにすばらしい制度があるのに育児休業を利用している男性はわずか 1.23%です。(「平成二〇年度雇用均等基本調査」)
私はカナダの制度にいろいろな不満を感じるのに、2010年のカナダにおける男性の育児休業利用率はなんと30%(Labour Force Survey. 2010. Statistics Canada.)でした。だが、これには事情があります。ケベック州が独自に2006年に育児休業の特別制度をつくりました。この育児休業制度は父親専用で母親は参加できません。 五週間、完全に有給で父親は育児休業がとれます。それでケベック州における育児休業男性利用率が爆発的に増加しました、現在はなんと77.6%です。ケベック州外でも、育児休業男性利用率は増加しています。2001年で全国的に育児休業を利用している父親はわずか3%でしたが、現在はケベック州外でも11%となりました。
しかし上記の利用率だけでは、一つの大事なデーターが見えないと思います。それは男性育児休業利用者の平均利用期間です。所得できる期間がカナダでは九か月、日本では一年あっても、実際に男性は育児休業をどれくらいとれているのかが解りません。カナダと日本の統計調査を見つけることができませんでした。日本の男性育児休業利用者、1.23%の中で、一年間いっぱいをとっている父親は何人いるでしょうか?私も半年間しかとることができませんでした。
次に育児休業をとって感じたことを紹介したいと思います。専業主夫の経験のお陰で理解できたことがたくさんあります。この学びを他の新米パパと共有したいと思っています。それは育児休業がとれるかどうかに関わらずです。具体的には以下に書いた、expectation management(期待値管理)についてですが、夫婦のチームワーク、コミュニケーション、プランニング、持久力とサポートにも深くつながっている話だと思います。
育児のお口伝、其の一
(「くでん」武道用語・秘伝のこと)
育児は短距離競走ではなく、マラソンである
娘が生まれてから二か月間は、妻が家で回復と育児をして、私がフルタイムで仕事をしていました。妻をできるだけサポートをしたいという気持ちがあって、仕事が終わるとすぐに家に帰って育児を引き継ぎました。週末は私が家にいて、妻に外出を勧めました。買い物やマッサージなど。充電するために気分転換をしてほしかった。新生児の育児は難しいとイメージして、私の役割はできるだけサポートすることだと思いました。新米パパの本を読んでそう思いました。
しかし専業主夫になり、新生児育児の「お口伝」が解りました。実は、短時間なら新生児の面倒を見るのはそんなに難しくはない。走ることと同じように長時間は挑戦です。マラソンのように大量のメンタルと持久力が必要となります。例えば、賃金労働の仕事は週五日の八時間に集中できます。しかし育児労働は二四時間、週七日。さらに賃金労働の場合は、職場と暮らしの場が違いますが、育児労働の場合は職場に住んでいるのと同じ。これはストレスレベルが上がります。
テレビでマラソンを見ると選手はそんなに早く走っているように見えない。自分はそれより早く走れるだろうと思うかもしれません。でも42キロの長距離をそのスピードでずっと走れると思いますか?専業主婦(主夫)という仕事は、綱渡りをしながらマラソンを走っているようなものです。しかも育児以外の家事など、山ほどある仕事も考えないといけない。だからパートナーのサポートが大変必要となります。
サーカスで見る綱渡り芸人が練習するときはいろいろ準備します。まずは低い縄、それに長い棒を持ったヘルパーもいます。バランスを崩して、倒れそうな時はヘルパーが棒を出して、手をかけるところを提供する。抱っこ、掃除、皿洗い、赤ちゃんを風呂に入れたり食事を手伝うのは綱渡り芸人に「手すり棒」を出すのと同じ。パートナーが一息ついて、バランスを立て直すことができる。ここに単純な学んだこと:このレース=育児では「サポートし過ぎ」ということはない!それでも、私は綱渡り人になった時、もっと精神的に微妙なことを学びました。
育児のお口伝 其の二
「肯定サポート」より「否定サポート」のコストが高い
expectation management(期待値管理)
どういう事かをサポートをポイント制にして説明してみます。パートナーにサポートを提供すると+10サポートポイントを取得。これは「肯定サポート」と考えてください。サポートすればするほど、ポイントが貯まる。しかし「約束したサポートをしなかった」ら(お皿を洗うと約束したがしなかったなど)一回で100サポートポイント減点。これが「否定サポート」。損失の大きさをよく解ってください。
注意:「否定サポート」とサポートの欠如は違います。「無サポート」の値はゼロで始まりますが、「無サポート」の期間が長く続くと、サポート減点となっていきます。
またマラソンを走るルートもよく考えないといけません。上がり坂、下り坂、人混みになる折り返しのカーブ、給水所。ランナーの持久力は限られているので、道しるべをよくプランニングしないといけない。予定していた給水所に着いて水がないと言われたら非常に困るでしょう。
専業主婦(主夫)のパートナーにアドバイスできることがあるとしたら、サポートする約束を直前にキャンセルしたり変更することは禁止。パートナーが毎日の道しるべを計画できるように、よく自分の予定について伝えてください。持久力は限られているけれど、情報があればうまく管理することが可能です。やる事を言う。言ったことはやる。良好なコミュニケーションは夫婦関係の基礎ですが、赤ちゃんがいるとこれが倍、大事になってくると思いました。
最後に
育児休業は素晴らしい経験でした。伝統的に父親が子どもを支える方法は財政手段によるサポートでした。正直、新生児にお金はそんなに掛からない。赤ちゃんを育てる経験は短期的な収入カットがあっても、価値がありました。私にとって育児休業経験は感動的、でも孤独な、素晴らしい、でもストレスの多い複雑な気持ちの時期でした。子育てはユニコーンと戯れて、虹がでている日ばかりではない。でも今年一月に次女が生まれて、現在、育児休業中です。今回はカナダで父親がとれる育児休業の最大限九か月間とりました。ところで職場の反応ですが、同時期に同僚の三人の父親が長期休業をとって子育てをしています。